Google Ad Grantsプログラムポリシー まとめ

Googleは、2018年1月1日より、Google Ad Grantsのプログラムポリシーを変更しました。その変更内容は、NPOマーケティング担当者を震撼させるものであるため、本記事にハイライトをまとめておきたいと思います。

 

Google Ad Grantsのプログラムポリシー原文はこちらを参照ください。

 

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1.プログラムポリシー変更の概要

 

 はじめに、Googleがプログラムポリシーを変更した経緯として、

 

「このたびプログラム ポリシーの見直しを行い、より明瞭にするとともに、無償提供の広告サービスに関する品質基準を引き上げました。」

 

とあります。品質基準を引き上げる、すなわち、より厳しい、厳格な基準にした、ということです。

Google Ad Grantsプログラムポリシーは下記の6項目で構成されており、順を追ってみていきたいと思います。

 

  • Google Ad Grants 利用規約
  • 非営利キャンペーン
  • ウェブサイトに関するポリシー
  • アカウント管理に関するポリシー
  • 報道機関向けの発表
  • 返金に関する方針

 

2.Google Ad Grants 利用規約

 

Google Ad Grants 利用規約には、Google Ad Grantsの基本的な活用方針が定められています。そのなかでも、Google Ad Grantsの活用目的として、以下のとおり記載されています。

 

Google Ad Grants 承認団体は、慈善目的のために組織され運営されている必要があります。プログラム ポリシーに対する違反が見つかったアカウントは、予告なく自動停止されることがあります。」



基本的な方針ではありますが、Google Ad Grantsの使用目的はNPOの活動に沿ったものでなくてはなりません。


3.非営利キャンペーン

非営利キャンペーンには、おもに、広告配信に活用する検索キーワードについて定められています。なかでも、Google Ad Grantsで禁じられているキーワードは下記の通りです。

 

Google Ad Grants 広告の配信に関して次のようなキーワードや検索クエリを使用することは禁止されています。

 所有権のないブランド名(「YouTube」、「Google」など)、新聞の名前、他の団体の名前
 1 語のキーワード(団体の所有するブランド名、一般的な病名、および以下の数例を除く)
 ダッシュ、ピリオド、または特殊文字を含む用語は、1 語のキーワードとしては扱われません
 一般的すぎるキーワード(「無料動画」、「電子書籍」、「今日のニュース」、「簡単なヨガ」、「ゲームのダウンロード」、「求人通知」、地名、歴史上の出来事や人名など)
 品質スコアが 2 以下のキーワード



禁じられたキーワードを設定していると、プログラムポリシー違反とみなされ、アカウントが停止されてしまうリスクがあるので、Google Ad Grantsのご担当者は設定を見直す必要があります。

なかでも、青字の部分要注意です!

まずは、1語のキーワードが基本的にNGなのです。貧困、病気、教育、など単独のキーワードは許可されていないので、すぐに複合キーワードに修正しなければなりません。


それと、品質スコアが2以下のキーワードもNGです。

 

検索キーワードの品質スコアは、検索キーワードとランディングページ(検索キーワードをクリックした際に飛んでいくページのこと)の関連性によって決まります。たとえば、「貧困 統計」という検索キーワードに対して、ランディングページが寄付のページとなると品質スコアが低下する可能性があります。なぜならば、この検索キーワードをクリックした方は、貧困の統計データがみたいのにもかかわらず、寄付ページに飛ばされてしまうと、必要な情報に辿りつけないことになるからです。貧困の統計データのページへ着地してもらうことで、検索キーワードとランディングページの関連性を高め、品質スコアが上昇します。

キーワードを設定してから数日後にAdwordsを開くと、品質スコアを確認することができます。


品質スコアの確認方法はこちらを参照ください。


4.ウェブサイトに関するポリシー

 

ウェブサイトに関するポリシーには、おもにランディングページとなるページおよびそのドメインについて定められています。

 

ユーザーが広告をクリックしたときに表示されるドメインは、各団体が所有しているものである必要があります。Ad Grants チームの承認を受けている場合は、寄付を処理するサードパーティ プラットフォームも使用できます。

 

団体が所有しているドメインが基本となっています。つまり、他ドメインのブログサイトに掲載された記事や非所有のECサイトの商品ページへ直接誘導することが許可されていません。あくまで所有しているメディア内に、商品紹介、サービス紹介、ブログ記事を記載して、ランディングさせなければなりません。



5.アカウント管理に関するポリシー

 

アカウント管理に関するポリシーには、広告の設定に関することが定められています。Google Ad Grantsのプログラムポリシーのなかでも、もっとも重要なことが記載されいますので、順番にみていきましょう。

 

  • Ad Grants アカウントをご利用の非営利団体は、団体に関連する地域に広告を表示するためターゲット地域を設定する必要があります。
  • すべての Ad Grants AdWords アカウントは次の条件を満たす必要があります。
    • キャンペーンごとに有効な広告グループが少なくとも 2 つあり、関連性の高いキーワードのセットと有効な 2 種類のテキスト広告がそれぞれに含まれている。
    • サイトリンク表示オプションが少なくとも 2 つ設定されている。

 

ひとつのキャンペーンにつき、広告グループを二つ以上が必要です。さらに、ひとつの広告グループにつき、二つ以上の広告が必要になります。

次にクリック率に関する要件をみてみましょう。

 

Ad Grants AdWords アカウントは、毎月のクリック率(CTR)を 5% で維持する必要があります。ただし CTR は、新しい取り組みを試したときになんらかの理由で変動する場合があります。そこで、アカウントで使用している啓発用リソースで CTR が低下したときは、サービス内通知によりお知らせするようにしています。CTR の基準を 2 か月連続で満たせなかった場合、アカウントは取り消されます。CTR が低下したキーワードを一時停止または削除して基準を満たす状態になった後、アカウントの復元を要求することができます。

 

き、きびしい。。。CTR5%とは。。。CTR5%を2ヶ月連続で満たせない場合、アカウントが取り消されるとのこと。5%を下回る、ほぼ全ての広告を取り下げるくらいの覚悟が必要になりそうです。

 

6.報道機関向けの発表

 

報道機関向けの発表には、Google Ad Grantsを活用していることを外部に示す要件について記載されています。Google Ad Grantsの資格を獲得したことについてプレスリリースをおこなうことは禁止されていますが、Webサイト内に、Google の使用許諾ページに記載された文言を使うことが許可されています。

 

7.返金に関する方針

 

返金に関する方針には、誤ってクレジットカード情報を入力してしまったために、課金された金額を返金できない旨、記載されています。Google Ad Grantsは補助金(無償)ですので、クレジットカード情報の登録は不要です。

 

誤って AdWords アカウントにお支払い情報を入力してしまった場合、発生した料金の返金はできませんので、あらかじめご了承ください。AdWords アカウントにクレジット カード情報を入力すると、発生した料金をお支払いいただく必要が生じる点、Google Ad Grants アカウント作成ガイドに明記されているとおりです。

 

 

以上、Google Ad Grantsのプログラムポリシーをご紹介しました。CTR5%達成についてはNPOマーケティング担当者を震撼させるものであったと思います。これからGoogle Ad Grantsをはじめるかた、現在運用中の方の参考になれば幸いです。なお、本記事の内容は執筆時点のものであり、時間の経過とともに変更される可能性がありますのでご了承ください。